「生活習慣病」最近よく耳にすることがあるのではないでしょうか?
生活習慣病は、その名の通り、「毎日の良くない生活習慣の積み
重ねによって引き起こされる病気」のことです。

代表的な生活習慣病には、糖尿病、脳卒中、高脂血症、高血圧、
肥満などが含まれます。
その中でも糖尿病は「日本の人口の約10分の1にあたる1000万人
が患っている」という報告があります。

そのうち、年間で1万人程度の方が亡くなっているそうです。
このように糖尿病は患者数も多く、深刻な病気であるため現在も
様々な治療法に関する研究が進められています。

そして、つい先日、糖尿病治療に有望と考えられる、
新たなタンパク質の働きが明らかにされたのです!!


糖尿病は「糖分が細胞中に取り込まれずに、血中にたまってしまい、
血中の糖分濃度(血糖値)が高くなり過ぎて起こる病気」です。
通常であれば、「インスリン」と呼ばれるホルモンが血糖値を調整して
いるのですが、糖尿病患者さんの身体では「インスリンが分泌されない」
あるいは「インスリンが分泌されているのに身体が反応しない」という
現象が起きています。

その結果、細胞への糖の取り込みが妨げられ、血糖値が上がって
しまうのです。
今回の研究では、TFE3と呼ばれるタンパク質が肝臓細胞およびマウス
の身体の中で、インスリンと類似した働きを持つということが明らかに
されたのです。

通常、糖はたくさん集まって、グリコーゲンと呼ばれる形で体内に蓄え
られています。
運動をしたときなど、エネルギー源である糖分が必要となったときに、
そこから少しずつ使われていきます。
インスリンが血中を流れると使用される糖分の量が抑えられ、その結果
血液中の糖の量が少なくなります。
TFE3はこうしたインスリンの働きと、類似した働きを示します。

冒頭にも述べたように、糖尿病は非常に深刻な生活習慣病です。
これまでにもインスリンを中心とした研究がされてきており、
現在糖尿病治療の中心はインスリンを利用したものです。

しかし、解決できていない問題もたくさんあります。
例えば、糖尿病患者さんの中にはインスリンが効かなくなってしまう方も
いらっしゃいます。
その場合、インスリンの代わりにTFE3を用いれば、効果を期待できるかも
しれません。
もちろん、実際に薬として用いるためにはまだまだ乗り越えなければなら
ない課題もたくさんあります。

今後、TFE3の研究が進んでいくことで、これまでとは違ったアプローチの
尿病治療法が確立されていくかもしれませんね!

参照
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/tounyou/index.html
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=
pubmed&dopt=Abstract&list_uids=16327801&query_hl=1&itool=pubmed_docsum

Nature medicine, 2006, vol12, 107-113