みなさんこんにちは!
突然ですが、コンビニエンスストアなどで、“キシリトール入り”と書かれたお菓子を見つけたことは、ありませんか?
最近では、キシリトール配合のガムや、キシリトール入りの歯磨き粉など、たくさんの商品も発売されていますよね。
ですので、「キシリトールは歯に良い」と聞いたことがある人は多いのではないかと思います。
それでは、なぜ、キシリトールは歯に良いのでしょうか?
今回は、キシリトールが、なぜ歯に良いのか?キシリトールと虫歯の関係に迫ってみたいと思います。
■キシリトールは歯に良い?虫歯ができるメカニズム
キシリトールは甘味料の一種ですが、砂糖などの甘味料と違い、虫歯の原因になりません。それでは、なぜ甘いのに、どうして虫歯の原因にならないのでしょうか?
それを探るために、まずは虫歯が出来るメカニズムを見てみましょう。
次の3つのものが合わさると、虫歯が出来やすくなります。
一つ目は、「歯」です。虫歯ですから、当然ですね・・・
二つ目は、「ミュータンス菌」という微生物です。ほとんどの人の口の中に、この微生物がたくさん棲んでいます。
三つ目は、「砂糖」です。
では、どうやって虫歯が出来るのでしょうか?
まず、ミュータンス菌は砂糖を食べて消化すると、「酸」を作り出します。
その酸により、口の中のpHが低下し、歯のエナメル質を溶かします。つまり、ミュータンス菌自体が原因ではなく、菌が作り出す「酸」が原因なのです。
■キシリトールとは?
キシリトール(C5H12O5)は、砂糖(C6H12O6)によく似た構造をした、糖アルコールといわれる天然の甘味料です(図)。砂糖と同じぐらいの甘さを持ち、カロリーは砂糖の75%、口の中で溶けると吸熱反応により、スッとした爽やかな甘さを呈すのが特徴です。

キシリトールは、白樺や樫などの樹木から採れるキシランという糖を原料として、そこに水素を付加することで作られます。
キシリトールは、人間の体内でも作られおり、イチゴやプラムにも少量ですが含まれています。
■キシリトールが虫歯の原因にならない理由
先ほど、ミュータンス菌が作り出す「酸」が原因で虫歯になる、という話をしました。
それでは、キシリトールが虫歯の原因にならないということは、どういうことなのでしょう。
実は、ミュータンス菌は、砂糖と似た構造をしているキシリトールを食べるのですが、食べるだけで消化することが出来ません。消化できないから、「酸」も作り出しません!
更に、食べるためのエネルギーだけ使って、キシリトールをエネルギーに出来ない。
するとどうでしょう。だんだんとミュータンス菌は弱っていきます。
この反応を無益回路(空転回路)といいます。益(エネルギー)を生まない、空回り。食べても食べても、栄養にならない。そして弱って死んでいく。ミュータンス菌にとっては、ちょっとかわいそうですね。。。
このように、キシリトールを私たちが食べても、ミュータンス菌はキシリトールを消化できないため、虫歯の原因となる「酸」を作ることができません。そして、キシリトールを摂取することで、虫歯の原因となる口の中のミュータンス菌の繁殖を抑えます。
だから、私たちがキシリトールを食べても虫歯がなりにくく、歯に良いのですね!
■キシリトールでお腹がゆるくなる??
キシリトール配合の商品には、「一度に大量に食べると、体質により一時的におなかがゆるくなることがあります。」と書かれています。
私も1日に30粒ぐらいキシリトール入りのガムを噛んでおなかがゆるくなった経験があります。。。
さて、これはなぜ起こるのでしょうか。
原因は、キシリトールが高い吸湿性を持っているからです。
キシリトールを大量に食べると、大腸の中の水分が吸収されて腸内濃度が高まります。そして、それを元に戻そうとして、大腸内の水分量が増え、一時的にゆるくなるのです。(※1)
体質にもよりますが、食べすぎには注意しないといけませんね!
以上、キシリトールのサイエンス、キシリトールが歯に良いとされる理由、分かって頂けたでしょうか?
これからは、キシリトール配合の食品を食べる時、口の中のミュータンス菌が“弱っているなー”と思いを巡らせてみて下さい。
〜キシリトールのサイエンス(番外編)〜
ちょっとおまけですが、最近では、キシリトール入りのガムがたくさん出ているのですが、キシリトール入りのガムには、キシリトール以外にも大きな効能があります。
それは何かというと、チューインガムというお菓子自体の効能です。
チューインガムは、味以外に「噛むこと」を楽しむ珍しいお菓子です。
「噛むこと」を「咀嚼(そしゃく)」といいますが、噛むことにはいろんな効能があります。
噛むことにより、集中力が増し、頭がスッキリ!眠気を覚ます効果があります。
逆に、たかぶった神経をリラックスさせたり、ストレスを減らす効果もあります。
また、噛むことにより唾液の分泌が促進され、口臭を除去したり、消化を助ける効果もあります。
そして更には、噛むことで噛み合わせが良くなり、全身の健康が得られることもあります。
噛むということは、実は、いいことがたくさんあるんですね!(※2)
歯にやさしいキシリトール入りのガム(※3)を食べれば、勉強や仕事の強い味方となるはずです!
以上、キシリトール“ガム”のサイエンスでした。
お菓子にも、たくさんのサイエンスがつまっているんですね。
実は、ガムだけでなく、チョコレートにもサイエンスがつまっていますよ!
詳しくは
someone 01号へ!
(※1)浸透圧性の下痢
キシリトール以外の糖アルコールでもこの症状は起こります。
糖アルコールには、他にもマルチトール、ソルビトール、エリスリトールなどがあります。
その中で、ミュータンス菌の無益回路反応が起こるのはキシリトールだけといわれています。
(※2)昔の人は、固いものを食べていたため、たくさん噛んでいましたが、現在の食事は柔らかいものが多く、噛む回数がとても減っています。1回の食事で噛む回数は、弥生時代で3990回、鎌倉時代は2654回、戦後は620回といわれています。
その点、チューインガムは1粒で550回噛むといわれています。
(※3)キシリトール配合のチューインガム
キシリトールが食品添加物として日本で認められてから、まもなく10年が経ちます。
1997年5月、キシリトールガムが株式会社ロッテより、日本で始めて発売されました。その後、特定保健用食品(トクホ)として認可されています。
<参考資料・HP>
生化学辞典第3版(東京化学同人)
日本チューインガム協会:
http://www.chewing-gum.org/
株式会社ロッテ:
http://www.lotte.co.jp/products/brand/xylitol/index.html
虫歯予防のホームページ:
http://www.chichibu.co.jp/%7Eimai8028/xylitol.htm
日本トゥースフレンドリー協会:
http://www.sm.rim.or.jp/~ny01-jtf/letter/xyli/xyli.html
笠茂歯科医院:
http://blog.livedoor.jp/kashsamoshika/